昭和のはじめの豊かな暮らしが活きた古民家

昭和初期に新築、3度の改装・改築の後、今回リフォームを決意。
階段横の土間に暖炉を設置、吹き抜けに配管を通して家全体を暖めます。
新しいものを織りまぜ、大切なものを守り続ける古民家
愛知県名古屋市のS邸は昭和の初めに新築された家です。
うつりゆく時にあわせ、生活する家族の変化にともない改装・改築を繰り返したはずの家が、施工前は住みづらく悩みの多い住宅へと変わってしまいました。
「衣・食・住」と言われる様に、住まいは人間性の形成の上で非常に大切なものです。

ニ階部分のリフォーム前は、昔ながらのつくりで天井が低く、物置きとなっていたスペースを風の通りを良くし、太陽の光を十分に取り入れることによって絵画教室を開催したり、アトリエとして利用できる快適な空間へと生まれ変わりました。

元の間取りと部材をできる限り活かすことを念頭に家づくりをすすめていきました。

陽ざしがいっぱいのキッチン。木製の扉材にセンスと落ち着きを感じます。
我々の先祖がつくった民家の思想性は、近代建設のコンクリート建物とは大きく違います。
昔ながらの古き良き時代と共に生きた空間を現在、そして未来にまでも住まう人びとの心を潤す空間へと変えていけるのが古民家再生の魅力といえます。 また、日本本来の伝統を見つめ直し、民家の持つやさしさと強さを次世代に残すことが大切だと思います。
その他の民家再生奨励賞を受賞しました施工事例は下記のリンク先よりご確認いただけます。